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本巣市長屋神社の例祭、馬かけ祭りは毎年8月1日、2日にかけて行われます。
江戸中期から続くこのお祭りはその起源を神社創建時の1500年代初期に遡ると言われており、岐阜県の重要無形民俗文化財に指定されています。
美江寺から車で15分かからないくらいの神社で、このお祭りも知ってはいましたがなかなか見る機会がなく、今回が初めてでした。
本祭りの前夜には試楽が行われるとあり、過去の記事で21時とあったので10分前に着いたのですが今年はもう終了していて明日の準備が行われていました。
翌2日、お祭りの駐車場に指定されている本巣市民スポーツプラザへ車を停め5分位歩くと樹に囲まれた神社に着きます。
駐車場そばの大きな看板
2時頃に着くともうカメラの場所を取るための脚立が並んでいます。
カメラマンの方はそれぞれすごい望遠レンズのついたカメラを持っておられ、どこがベストショットかが話題となっていました。
この祭りのクライマックスは馬かけの最後に乗子が走る馬の上で花笠を開き花吹雪を散らすところですが、花笠をどこで開くのか一応は決まっているようですが、毎年そのようにはならずあとは運まかせのようです。
お祭りの最後にわかったことですが、カメラマンの方々は私のようにカシャカシャのべつまくなしには撮られません。2時から待機して最後の瞬間まで一枚も撮られないのです。花笠と花吹雪の馬かけシーンのみに賭けて調整のみをくり返し行っていらっしゃいました。ベストショットが撮れているといいですね。
私はこの写真の手前に陣をとり、日陰に避難。涼んでいると地元の方にお話を聞くことができました。
最近は日曜祝日にお祭りが行われるところが多い中、平日にかかわらず8月1.2日と決まっているのはなぜですかとお尋ねすると、一度明治時代に日曜日にしようと日にちを変える事にしたら、農作物は不作、台風で神社の木々は倒れと大変な事になり、元に戻したそうです。
また、昔は夜宮といって前日も多くの人出があり、若い男女が杉の木の下で話したりしているうちに杉の皮をめくるものだから、翌日になると杉の幹がツルツルになってそれを杉皮めくりといったそうです。
いまは馬術クラブの高校生の方が乗り子さんを務めておられると言う事で、かつては乗り子さんが駆ける馬の下へもぐったり馬の上で手を広げたり曲芸みたいにしていたと言う事でした。
お祭り前の境内と長屋神社祭礼説明版
本日の主役、お馬さんが扇風機で涼んでいます。
何度も何度も頭を下げてこんにちはと言っているようで、可愛かったです。
社務所で一本茶漬けの儀式が行われます。
ご飯にお水をかけ一本の箸で食べます。大きな胡瓜を輪切りにした漬物が箸でさして食べるように大皿に盛って出されます。
一本の箸で食べると言う事はどんな意味があるのでしょうか、神様の食べ方を再現している?江戸時代、割りばしを引き裂き箸といったそうで、引き裂かないよう? 他にどんなことが考えられるでしょうか。
他ではあまり見られない儀式ですね。
着飾って準備万端、それにしても大人しくて穏やかなお馬さん。
大人しいと走らないかも知れないことも心配だそうです。
御祈祷に向かいます、たてがみの飾りがかわいいです。
神前でも皆さんと一緒に神妙に御祈祷を受けています。
御神輿とお稚児さんが御祈祷を受けます。
御祈祷を終えて、馬、稚児、神輿が長屋をぐるりと練り歩きます。
神殿から太鼓橋を渡る神輿は、大変そう。
山車の上で太鼓、獅子舞などをしながら神輿を先頭に拝殿の方へ移動。
三基の神輿が参道を行ったり来たり大あばれ!
馬かけ前、お水を飲ませてもらい、お供えのお餅を食べました。
お餅はまわりの人たちにも振舞われました。
馬かけ直前、道をお清め
馬かけは三回、第一回目は拝殿から南へ赤い衣装で!
2回目は紫の衣装で南から拝殿方向へ!
最後は白い衣装で花笠を広げ、花吹雪を舞わせながら走りぬけます。
衣装は一枚ずつ脱いでいって色を変えているのだそうです。
最後の馬かけが終わったあと地面に落ちた花吹雪を拾います。
金色は特にご利益があるそうで、みなさん一生懸命に探しています。
最後に紅白のお餅とお菓子がまかれました。
一番後ろで写真を撮っていた私の足元に幸運にも転がって来て一つ頂くことができました。
こうして、暑い中行われた馬かけ祭りは午後6時頃無事終了、そのころには少し風がでて涼しくなってきました。
お馬さん、皆さん、お疲れさまでした。
今年のお馬さんは自分の役割をちゃんと理解していて、暑い中粛々とやるべきことをこなしてとても賢くて立派でした。